「実務翻訳家」というお仕事を聞いたことはありますか?
「翻訳」というと、出版翻訳や映像翻訳を思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、出版・映像翻訳も含めた翻訳需要全体の約80%以上が「実務翻訳」や「産業翻訳」と呼ばれるものなのです。
実務翻訳で扱う文書は、官公庁や各種団体、企業の業務にかかわるものです。グローバル化にともない、実務翻訳の翻訳需要は飛躍的に増加しています。
2014年に発行された『2013年度翻訳白書』によると、50% の翻訳家が年収400万円以上※ということでした。英語が好きで、何とか英語を使ったお仕事をしたいという方にはおススメの職業です。
※(429名の個人翻訳者への調査の結果。詳細は『翻訳白書』を参照ください。)
プロの翻訳にチャレンジ!!
アメリカ国内で使用された以下の文を翻訳してみましょう。
文法も単語も中学校レベルのものですね。それでは早速確認してみましょう。
「日本の総理大臣の安倍晋三と大統領のバラクオバマは、木曜日に電話会談を開いた。」
「日本の総理大臣の安倍晋三と大統領のバラクオバマは、木曜日に電話会談を開いた。」
これで100点ですね。
「Japanese」も「Prime Minister」もしっかり訳されていますし、「held」も「開いた」と訳されています。
英語の先生は100点をくれるでしょう。
「President Barack Obama」を「大統領のバラクオバマ」とするのか、
「バラクオバマ大統領」とするのかについて、学校英語の場合先生は特に気にしないでしょう。
以上は、学校の英語のテストでのお話。。。
・・・実は、実務翻訳というビジネスに関する翻訳の場合は、少し事情が異なります。
まずは完成文から。
「安倍総理は木曜日、オバマ米大統領と電話で会談した。」
学校英語と比べて、とてもスッキリしていることが分かりますでしょうか。
簡単な解説
ここでは、(和訳する時点で)読み手が日本人であることを意識して、「日本の」を割愛しています。また、「電話会談を開いた」を「電話で会談した」と訳していますが、学校英語では「hold(held)」の意味を覚えてほしいので「開いた」が「正解」とされるのに対して、実務翻訳では「会談」を動詞にしてしまっても「不正解」ではありません。
さらに、「米大統領」のように一般的に使用されている用語を使った点も実務翻訳の特徴のひとつです。
最後に、実務翻訳のポイントを3つご紹介します。
①文章の読み手と目的にあった文体・表現がある
②一度読めば理解できる文章にする
③誤解のない文章にする──解釈は1つだけ
同じ英語⇔日本語でも、なかなか奥が深いと思いませんか?
翻訳家という仕事は、これからますます需要が高まりますし、
時間や場所、さらには年齢にもとらわれない職業として英語好きの方々に人気があるのです。
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