「フォア・ザ・チーム」と黒田博樹は言った

翻訳のお仕事2016/10/21「フォア・ザ・チーム」と黒田博樹は言った

★隔週金曜日更新★
翻訳にまつわる各職種担当者からのミニコラム第16弾！！
今回はコーディネーターの方にご執筆いただきました！

フリーランスの翻訳者は孤独な仕事だとよく言われます。ご自宅（仕事場をお持ちの方もいるかもしれません）でひとり原稿に向かい、用語を調べ、訳語を吟味し、訳文を磨いていく。中にはチームを組んで仕事をしている方もいらっしゃいますが、それでも基本的には翻訳作業はひとりでされているかと思います。翻訳会社の担当コーディネーターともほとんどはメールか電話での連絡のみで、実際に顔を合わせる機会はなかなかないのではないでしょうか。弊社では、訳者さんと直にお会いする数少ない機会として、「登録説明会」というものを年に2回、春と秋に行っています。新しく登録いただいた訳者さんに来社いただき、仕事の流れなどを説明した上で、個別に面談もさせていただきます。
遠方や海外にお住まいの方、日中は別なお仕事をされている方など、皆さん様々な事情がありますので、残念ながらすべての方にご参加いただけるわけではありません。もちろん、最後には実力がものをいう世界ですので、これに参加したから仕事が来るとか、参加しないと仕事がもらえない、といったことは一切ありません。
とはいえ、コーディネーターとしても、実際に訳者さんとお話しできる機会はとても貴重だと思っています。顔のわかっている相手だという安心感もあります。説明会でもかならずお伝えすることですが、忘れないでいただきたいのは、翻訳とは翻訳者さんお一人で完結するものではないということです。これまでこのコラムコーナーにも様々な形で翻訳と携わっている人間が登場してきたかと思います。ひとつの訳文をお客さまにお届けする流れの中で、それぞれがそれぞれの立場で訳文を磨き上げているのです。
ひとつの翻訳をする中でも、チームの一員として携わっているという意識を持って臨んでいただけるとありがたいです。

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