製作・配給会社情報
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映画「人間」 - The Human -

製作・ 配給:メディア総合研究所 2013年作品

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第38回トロント国際映画祭入選
第33回イスタンブール国際映画祭入選
第13回トランシルバニア国際映画祭入選

ストーリー/Story

狸と狐の化かし合い。男に化けた狸と女に化けた狐が街に出て行く所から物語は始まる。時はあっという間に過ぎ、吉野に化けた狸は結婚し、中小企業を経営していたが、女に化けた狐はどこへ行ったのか?やがて自身の会社が経営不振となり、心も体も弱り果ててしまった吉野は、療養所でひとりの女性と出会う。

取り戻した穏やかな日々、旧友との再会と別れ。そこでふと目にした狐と狸のおとぎ話が自分の人生に重なっていると気づいた時、彼の中で何かが目覚める。

本当に求めていた“彼女”= 狐を探して吉野は旅に出る―。

作品背景/Background

トロント国際映画祭(Toronto International Film Festival)は、1976年に創設された、約40万人の観客動員を誇る映画祭であり、アカデミー賞につながる映画祭として、業界でもとくに重要視されている。2013年度は、80ヶ国から2,588社、延べ4,743人の映画業界関係者が参加し、期間中に32作品のワールドワイドでの配給契約が成立した。 今年同映画祭に全世界から応募した作品数は実に約4,000本、この応募作品多数の狭き門をくぐり入選を果たした映画のうち、日本映画は6本。入選作品は是枝裕和監督「そして父になる」、宮崎駿監督「風立ちぬ」、松本人志監督「R100」など錚々たる顔ぶれであったが、これらの作品に肩を並べ「人間 –Ningen- The Human」という作品が入選していることを知る人は少ない。実はこの作品、2013年トロント映画祭において、監督と主要撮影スタッフ以外、役者を含めて全て一般の人々による製作にして入選という快挙を、日本作品の中では唯一成し遂げた極めて「異質」な作品である。

監督はカンヌ国際映画祭入選などの華々しい経験を持つトルコ&フランス出身の男女ペア、チャーラ&ギョーム。主演を務めたのは中小企業の現役経営者・吉野眞弘(66歳)である。 監督たちと吉野の出会いは、日本で開催されたある映画祭の授賞式だった。「異文化」をテーマに映画を撮り続けているチャーラ&ギョームは日本文化に強く魅せられ、その後京都に長く滞在することになる。やがて監督たちは演劇に深い造詣を持つ吉野に興味を持ち、長編映画製作の話を持ちかけた。少額出資者として参加するつもりだった吉野に伝えられたのは主演という大舞台。戸惑いながらも承諾した吉野をはじめ、演技経験もない社員やサンバチーム、現役の狩人といった異色のキャストによる本作が誕生した。 関係者を中心に上映会を行ったところ、その映像の美しさと独創的な世界観を称賛する声が寄せられ、背中を押される形で国際映画祭への出品を決意。数か月後に届けられたのは、誰もが耳を疑うトロント国際映画祭入選だった。トロントでのワールドプレミア上映は毎回満席となり、質疑応答では会場から口々に熱心な質問が寄せられる。「人生は2度と来ない」を座右の銘にする吉野が、まさに2度とは巡り合うことのない経験をした瞬間であった。

「狐と狸の化かし合い」という日本に古くから伝わる物語と、現代日本の中小企業経営者という「異質」なものの出会い。それをトルコ&フランス出身の監督の視点で描くことにより生まれた、ドキュメンタリーでもない、完全にフィクションとも言い切れない空気感。トロント国際映画祭を沸かせた“麗しの幻想譚”、日本に、凱旋。

コメント/Comments

台本のないドラマを、ふつうの人が演じるリアリティー。
フランス/トルコ人監督が撮ったファンタジックな京都。
むかし、寺山修司の映画を初めて観たときにも似た、こびりつくような印象が残った。
― コラムニスト 泉麻人氏
どこに連れて行かれるか分からない、まさに狐につままれたような映画。解説で謳われる「狐と狸の化かし合い」というよりも、純然たる熟年夫婦の愛の物語として素直に楽しみました。ラストのカットバックがぞっとするほどシンプルで美しい。「人間」が映っていました。
― 映画監督 深田晃司氏
すげー新しい国境のない映画を見た。きっとこういうことがやりたくて映画を志したけど、自分ができない行動範囲で全く別次元のイメージを紡ぎ出す。見る者の感性を束縛しない自由な映画。やられたなと思う半分、この映画に出会えてよかったっすよ。社長役の吉野社長はプロの役者じゃ代役不能なくらいはまっていた。
― 映画監督 松林要樹氏
古事記とケータイ小説が、八百万の神々と巷に溢れるキャラクターたちが歴史を飛び越えて繋がってしまう物語への欲望が日本にあることを監督たちは感じとった。それを観て、そういう国に自分が生きているんだということを私は再認識することができた。
― 映画監督 土屋豊氏
共同監督として活動しているギヨーム・ジョヴァネッティとチャーラ・ゼンジルジは、日本のマジカルな伝説の世界に深く入り込み、この複雑で愉快な現代寓話を作り上げた。 日本の伝説においては、狐と狸は人間に化ける能力を使い、悪さをしたり騙したりすることがある。記念すべきこの新作で、チャーラとギヨームは、現代寓話として狐と狸が金持ちから金をだまし取るという賭け話を利用するが、それは、実は誰も勝たない勝負である事を明かして行く。

物語は経営危機に陥る中小企業を運営する吉野から始まる。 社員とその家族を含め、数百人の命を預かる事の責任、そして自分の妻である和島を失う事への恐怖心などから、彼は友人で中国人レストラン経営者でもある李さんに、相談やひと時の歓楽を求める。吉野は迷う魂として今にも崩れそうな自我をギリギリの所で保ちつつ、何とか自分を取り戻したいと願う。 そこに、寓話的な要素が徐々に入り込んで行くのだが、我々観客は、目の前の出演者が、必ずしも"その役"を演じている訳ではないことに気づく---- 実は、キツネとタヌキは、そこら中に潜んでいることに。

彼らがパキスタンで撮ったデビュー作、Noorのように、ゼンジルジとジョヴァネッティの二人は、京都に潜む伝統的な物語や文化に深く寄り添い、そこにファンタジーとアレゴリー(寓意)を見事に融合させた。 あふれんばかりに配慮されたディテールによって、この作品にはコメディ的な驚きが詰まっている。様々な神話や伝説から紡ぎ出された要素が、Ningenを一つの良く出来た文学作品としつつ、更に不条理喜劇と童話的な世界観を合わせる事で、抜け目の無い巧妙な訓戒的な物語として仕上がっている。
― トロント国際映画祭アートディレクター、キャメロン・ベイリー氏

監督/Directors


左:チャーラ・ゼンジルジ(アンカラ、1976年生まれ)
右:ギヨーム・ジョヴァネッティ(リヨン、1978年生まれ)

チャーラ・ゼンジルジは、外交官の娘として生まれ、将来はトルコ初の女性大統領となることを親から期待されていたが、重圧から逃れるように家を出、フランス大使館にて職を見つけた際に、偶然インターンとして来ていた工科大出身のギヨーム・ジョヴァネッティと出会い、恋に落ちる。そこから2人は、突然映画をつくることを決意し、中東から中央アジアにかけて、主にドキュメンタリーとフィクションの監督として数々の短編作品を手がけ、これまでに100以上の国際映画祭にて、入選・受賞している。彼らは、異文化を理解したいという純粋で確固たる信念の元に活動を続けており、プロの役者は使わず、実際に出会った一般人からインスピレーションを受け、物語を紡いで行く演出手法を守り続けている。 2011年、2人は初の長編作品としてパキスタンを駆けるロード・ムービー「Noor」を製作。この作品は2012年のカンヌ国際映画祭独立部門ACIDにて入選、ワールド・プレミアされ、その後、チェコのカルロヴィバリ国際映画祭、釜山国産映画祭など多数の映画祭に入選している。 本作品「人間 -Ningen-」は、2本目の長編作品として、第38回トロント国際映画祭にてワールド・プレミアを迎えた。

出演/Cast


吉野眞弘

株式会社メディア総合研究所代表取締役。趣味は読書。小説を書くことを「人生のゴール」に定めている。宮崎市出身。66歳。

李小牧(リー・シャム)

日本のガイド、および、作家、ジャーナリスト、中国・湖南の料理を扱うレストラン『湖南菜館』店主。“歌舞伎町案内人”の異名で知られる。

和島政子

現実世界でも吉野眞弘の妻。

鮎川めぐみ

作詞家、訳詞家。手話による自作詩の朗読も手がける。 高橋真梨子、夏川りみ、パクヨンハ、鈴木雅之、中森明菜ら、数多くのアーティストに作品を提供。大竹しのぶのコンサートでは、長年作詞・訳詞を担当。

佳卓

鹿児島県出身の舞踊家。本名・宮北佳卓。堀越高等学校卒業。1999年、創作新日本舞踊佳卓流を創流。

千松信也

京都在住の猟師。鉄砲を使わない「わな猟」という伝統的手法でシカやイノシシを捕獲し、解体や加工も自身で行うという「自分で食べる肉は自分で捕る」式の生活をしている。

小笠原ミョウ

イタコ。青森県在住

メグ&カメ

サンバチーム G.R.E.S ALEGRIAダンサー

予告編/Trailer


トロント国際映画祭での聴衆と監督/出演者とのQ&A

劇場情報/Theater Information

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